博士 就職

 

「博士号」の使い方

 

博士の就職は?

博士の就職の現状はどのようなものなのでしょうか? 大学院博士課程を修了した者は、政府の大学院重点化政策により、 年々増え続けています。 博士は大学院に行ってまで勉強を続けた人たちですから、 大学院卒業後の進路に、研究職に就職を望む人が多くいることは、想像がつくでしょう。


ところが、博士が就ける研究職は、とても少ないのです

。 大学に残って研究を続ける道は、もちろん少ないのですが、 民間の研究施設、研究団体なども、数が少ないのです。

また、博士が民間企業に就職することを希望しても、 博士課程の在学者は、20代後半に差し掛かってきていて、 新卒としては、年齢が高いため、なかなか採用されるには 難しい状況になってしまいます


さらに、企業側に「博士を受け入れる土壌がない」 「博士の学歴に見合う高額の給料が払えない」といった感覚も根強く残っており、 博士課程を修了しながら、企業に就職できずフリーターになってしまう者も出て、 問題視され始めています。 博士課程は、入口が広く、出口が狭い状況になってしまっているのです。

博士の就職〜ポスドクとは?

今までの大学では、博士課程を修了したものの職として、助手や講師がありました。 助手や講師には、基本的に任期はありません。 ところが、博士号取得者の増加により、助手や講師になる前の段階の職として、 任期付きの研究者の職が増えてきました


この任期付きの研究者のことを「ポストドクター」、略して「ポスドク」といい、 博士研究員と呼ばれることもあります。 欧米では、若手研究者のポジションの一つとして、 ごく一般的なものとしてポスドクがあり、ポスドクを経験した後、 様々な研究職に付くことができるようです。

日本では、日本学術振興会特別研究員や 21世紀COE研究員などがポスドクの身分として有名ですが、 ポスドクを経験した後の、大学や研究所の定員は増えていないため、 大学や研究所の研究職に就職できる人は、ごくわずかしかいません


民間企業に就職しようと考えても、 ポスドクを経験した後では、博士号取得直後より更に年齢が上がっており、 ポスドクが企業に採用されるケースは少ないと言われています。

その理由として、民間企業に大学卒業で入った人なら、 ポスドク経験後の年齢では、在社6〜7年の中堅社員に成長していることから、 転職者を採用した方が、企業にとって有利だからということがあげられます。

このように、ポスドクを経験しても、 大学などの研究職にもつけず、民間企業にも就職できず、 行き先のない人たちが増えていることを「ポスドク問題」と呼ばれています。

博士の就職〜今後の更なる問題点

博士課程は、入口が広く、出口が狭い状況になっています。 ポスドクを経験する人が増えても、任期があるのですから、 一時的な就職に過ぎません

ポスドクの任期が終わってしまえば、就職難に晒されるのです。 こんな現状の博士号取得に、更なる問題が見え始めています。 それは、「頭脳流出」と「博士号忌避」です。


博士号を取得した人が就職する先に、外資系企業が増えてきているとも聞きますし、 研究職を求めて、海外に出て行く人も増えていると聞きます。 優秀な頭脳を持った人たちが、海外に流出してしまえば、 日本は、科学技術力などの国力は、衰えてしまうかもしれません


また、「博士号忌避」も心配されています。 現在の博士号取得者の就職難を見て、若者の博士課程への進学率が下がると、 もちろん、博士号取得者も減っていきます。 つまり、未来の研究者も減っていくのと同じことです。 頭脳流出の場合と同じく、日本の国力は衰えてしまうかもしれません。 実際、平成19年の東京大学理学部の博士課程は、定員割れしました。


博士号を取る時に考えること取った後できること